・奨学金を満額借りて投資運用し儲けを出して元本を返すことで,何もせずにお金が手に入るというライクハック.
・世界が成長していくことを考慮すれば,まっとうな儲け方.
・この記事では,その説明について述べる.
大学生や大学院生の中には,奨学金を借りているひともいると思います.
多くのひとは,奨学金で学費を払ったり,生活費を払ったりすると思いますが,
中には奨学金の余りを貯金したり,借りた奨学金を全く使わないひともいると思います.
そんな奨学金を,ただ銀行に入れておくだけでなく,運用すれば将来をもっと豊かにすることができると思うので,その方法を紹介します.
ただ貯金しているだけでは,お金は目減りしてしまう
まず,経済の大前提をかんたんに説明します.
世の中には『インフレ』というものがあり,物価や土地の値段が上がります.
基本的には(少なくとも過去をみると),世界は経済的に成長し続けており,物価は上がっています.
今後も,長期的にみればモノの値段は上がり続けることはほぼ間違いないです.
そんな中,お金を貯金しているだけでは,そのお金の価値は相対的に下がってしまいます.
例えば,現在ではリンゴを100円で買うことができるけど,10年後にはリンゴは150円になっていて,1.5倍のお金が必要なら,お金の価値は下がっていますよね.
この場合,50円を労働で稼ぐ必要があります.
このように,ただ同じ100円を持ち続けるだけでは,インフレによってお金は腐っていってしまいます.
しかし,そんな実情を打開する方法があります.それは,『資金運用』です.
世界が成長して持っているお金が目減りするのなら,世界の成長に合わせて同時に増えるものに投資すればOKです.
先ほどの例でいえば,100円を10年後に150円にすることができれば,労働をしてお金を稼がなくてもリンゴを買うことができますね.
そのようなものには,『株価』や『債権』などがあります.その中でも,株価の値上がり率は非常に高いです.
以下のグラフは,ここ30年くらいの世界の株式の推移を表しています.

世界株式は,ここ何十年,何百年と大幅な上昇傾向にあることが分かります.
(日本株式があまり増加していないのは,また別の話なので,今回は無視しましょう.我々が投資するのは,世界株式です)
ここから言えるのは,世界の成長に合わせた長期投資は,非常にリターンがプラスになる可能性の高いということです.
もちろん,株式でなくても,債権などのより低リスク低リターンなものに投資するのもアリです.とにかく,増える指数に投資しなければ,お金は腐ってしまいます.
マネーリテラシーの高い人たちは,お金の大小はあれども,資金運用をしてインフレ対策を行っています.
反対に,面倒くさがってなにもしない人は,ただただお金を腐らせており,しかも日本の場合,さらにそこから増税をくらっていることになります.
資金運用は一度証券口座を開設したら,あとは基本的に放っておくだけなので(むしろ手をつけてはいけない),そんなに面倒ではないのですが…
投資で儲けるには「大きな元本」が必要
さて,投資の話を始める前に,投資の基本についてかんたんにお話します.
一口に『投資』と言っても,たくさんの種類があります.以下は,リスク別にまとめたものです.
超低リスク 債権(国債)
低リスク 投資信託,金
中リスク 株式投資,不動産投資
高リスク FX,仮想通貨
では,例えば10万円を債権(国債)に投資した場合を考えてみましょう.
国債の場合,年利0.05%~1%程度です.例えば0.1%だとすると,1年で増える額は100円だけです.
2年目は1年目の利益を足した10.01万円を投資したとしても,2年目の利益は100.1円です.
この調子でいっても,10年間で増える額は千円程度です(計算サイトke!sanで計算).
10年待って千円というのは,少しやってられませんよね.10万円程度を投資しても,話に全然ならないわけです.
しかしながら,リターン,つまり利益は元本に比例するので,1000万円を同じ方法で運用したら,10年後には1万円の利益になります.
さらに,債権はリターンが低い投資先なのでこの程度ですが,株の投資信託ではリターンは数十年を平均して3%程度あり,10年間で1000万円を運用した場合の利益は約340万円になります.
放っておいて,340万円もらえるなら,最高ですよね.
以上は,元本があってこそ成り立つ話です.投資において,元本はあればあるほど有利です.
逆に言えば,数万円,数十万円程度では,ほとんどやっても意味はありません(投資の勉強という意味では有意義かもしれませんが).
リターン3%は長期運用なら現実的
先ほど述べた,リターン3%という数字は『投資先を間違えず,10年~20年の長期投資をすれば』かなり現実的な数字です.
過去の長い歴史を振り返っても,20年間の長期で(株式の)投資信託した場合は,例えば米国株では平均2%~5%が実績としてあります.これは先ほども述べた通り,「世界が成長しているから」です.
世界の成長が止まったり,衰退する未来を信じている人以外は,投資を始める必要がありますね.
実際に,このリターン3%を期待して,投資をしているひとはたくさんいます.実績もあり,今この瞬間も儲けている普通のひとはたくさんいます.
(とはいえ,ただ何も考えずに投資してはリスクが上がります.どうすればよいのかは,後で述べます)
注意としては,リターンが大きいほどリスクも大きく,リターンが小さいほどリスクも小さいということです.
なので,筆者は「この株に投資すれば10%のリターンも得られるから投資して!」ということは決して言いません.リスクを取りすぎては,元本割れのリスクが高まるからです.
我々が期待していいのは,世界による成長の,せいぜい2%~4%程度だと思っています.
これは筆者の個人的な意見ですが,投資初心者やお金を減らしたくない思いが強い人は,FXや仮想通貨に投資するのは絶対にやめたほうがいいと思います.
これらは当たれば大きいですが,多くのひとは損します.
あくまでこれは個人的な感想なので,FXや仮想通貨に興味があるひとは,損する可能性を許容してやってみてもいいとは思います.筆者は損しませんので…(笑)
ちなみに,もちろん投資信託も元本割れ,つまり損する可能性は0ではありませんが,長期かつ投資先を分散させて投資することで,元本割れのリスクを大幅に下げることができ,それなりに安心して投資することができます.
「放っておいてもお金が増えるのは怪しい」と思う人もいるかもしれませんが,「世界が成長している」という背景を知っていれば,放っておいてもお金が増えることを納得できると思います.経済の仕組みから,これはアリな現象です.
これについても,後で述べます.
株式投資などをしたことがない人は「投資=ギャンブル」と考えるかもしれませんが,堅実な投資をやっている人で投資をギャンブルと捉えている人はいません.
あくまで,「インフレによって目減りしないように,将来的に増えて戻ってくる資産」として投資しています.
『無利子の奨学金』を借りてつみたてNISAなどで長期投資する
ここまで読んで,感のいいひとは筆者が何を言いたいか分かったと思います.
・資産運用で儲けを出すには,元手が多いほうがいい.
ということを踏まえれば,まとまった資金を手に入れる必要があります.
学生で数百万という金額を手にするのは,容易ではありません.
しかし,学生には『奨学金』という借金制度があります.これを元手に,資産運用しようという考えです.
例えば,大学院ならば日本奨学金機構から満額で年間100万円を無利子で借りることができます.2年間なら,約200万円です.
奨学金を借りることができる条件は様々ですが,大学院生の場合,日本奨学金機構からは親の年収など関係なく無利子(第一種)を借りることができ,かなりハードルは低いです.
では,これを資産運用すれば,どうなるでしょうか?
約200万円の奨学金を月割りで返済していく場合,15年かけて月々約1.2万円ずつ返済していくのが一般的です.
この1.2万円は毎月給料やアルバイトなどから払うとして,一気に200万円を年利3%の金融商品に投資したとしましょう.
こちらのウェブサイトでシミュレーションした結果,15年後には313万円になります.
ほっておいて130万円近く,増えるということです.
もちろんこれは,理想的な数字です.実際にはもう少しリスクを減らす投資の仕方をするので,期待値としては額はもう少し下がります.とはいえ,これに近い値になるでしょう.
ただし,奨学金はあくまで借金なので,以下で注意点について述べておきます.
注意:有利子の奨学金を借りてまで投資するな!
まず,上で述べたような資産運用を奨学金を使ってするのであれば,無利子の奨学金で行いましょう.
奨学金の利子は一般に低くありません.できれば有利子の奨学金はそもそも借りない方が良いですが,家庭の事情もあって借りる人もいるでしょう.そんな有利子の奨学金を,投資に回すのは全くおすすめできません.下手したら借金まみれです.
また,無利子の奨学金であっても,その奨学金の使い道(学費や生活費)があるひとは,資産運用には回さず,本来の目的の使い方をしましょう.
つまり,生活余剰金(生活には必要ないお金)として無利子の奨学金を借りて使える余裕のあるひとのみ,奨学金を使った投資を考えることがおすすめです.
もちろん,利子付きの借金で投資をやりたいならやっても構いません.自己責任でお願い致します.おすすめはしない,というだけです.
奨学金を一気に突っ込むのはリスクが高いので…
一番大きなリターンを狙うには,できるだけ早くお金を突っ込み,待ち続けることになりますが,それではリスクもかなり大きくなったり,あまり儲けられずに終わってしまう可能性が高いです.
なぜなら,そのタイミングがここ最近で一番株価などが低いかどうかを見極めるのは,プロの投資家でも難しいからです.
この感覚をつかむには,少額で株式投資などをやってみると良くわかると思います.
では,どのように投資すればよいでしょうか.
基本的には,『元本の大きさを活かしながらも,積立でリスクを抑えながら投資する』のが最も合理的です.
いわゆるドルコスト平均法と早期重視型投資のハイブリッド投資です.
ここまで読んで実行できそうな人は,やってみてください.
ここまででも,奨学金を持っているのにも関わらず投資について全く関りがなかった人にとっては,十分価値がある話だと思います.
「これじゃあ,よくわからないよ!具体的にどうやって投資すればいいの!?」という人は,自ら投資の仕方について勉強する必要があります.
とはいえ,つみたてNISAを始めたりするのはそれほど難しくないですし,一度設定してしまえばほとんど手間がかかりません.
やり方もネットにたくさん出ているので,参考にしてみてください.
※本記事は投資を無理におすすめするものではありません.投資は自己責任でお願い致します。
コメント