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奨学金を借りてまで大学に行くことに反対する記事

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記事のまとめ

  • 2.6人に1人以上が奨学金を借り、奨学金破産は1万人以上
  • 『大学生活中に奨学金をすべて使う』 はやめたほうがいい。人生を狂わせる可能性あり
  • 奨学金を借りないと大学に行けない人への対応策
  • 親とよく相談しよう

現在では、大学進学時に、奨学金を借りて進学する人が多くなってきています。

授業料、入学金、生活費などを支払うために奨学金を借りるわけですが、

『大学生活中に奨学金をすべて使う』つもりで借りる人がいるなら、この記事を読んでみてください。

よほどの理由がない限り、奨学金を借りるのはやめたほうがいいです。

それでも大学に行きたい人は、この記事を論破してから行くと良いと思います。

奨学金で破綻する人の数

前置きとして、どれくらいの人が、奨学金を借り、自己破産しているのか。

奨学金を借りている人の割合

「日本学生支援機構について(平成29年3月)によると、学生数に対する奨学金貸与割合は、平成27年度で2.6人に1人です(奨学金「2.6人に1人」が利用 将来苦しむ「借りるリスク」とは?)。

自己破産しているひと

奨学金で破産する人は、2016年では387件で、2016年までの5年間で1万5,338人です(奨学金破産は1万人以上! リスクと破産前に知るべき制度)。

令和元年現在では、奨学金を借りている割合はさらに増え、自己破産する人も今後増えると予想されます。

奨学金を借りてまで大学に行く必要がない理由

さて、本題です。

ここでは、 『大学生活中に奨学金をすべて使う』 つもりの人を対象に話を進めていきます。

思考停止しているとしか思えない

大学に入る前に、大学生活がどんなものかわからない状態で、それのために莫大な借金をして進学するのは、かなり狂っています。

大学に入って、自分のイメージしていたところと違って、中退する人もいるくらいです。

奨学金を借り、それをすべて大学在学中に使ってしまえば、人生の大部分をかけて借金を返していくことになるかもしれません。

それでも、「働き始めたら返すから」、「働き始めればすぐに返せるでしょう」と思い、安易に奨学金を借りて大学に行く人がたくさんいます。

その心理的な背景には、「周りが大学に行くのに、自分だけ行かないのは…」、「周りも奨学金借りるし、自分も大丈夫だろう」、「大学に行かないと、将来不安だし…」というものがあると思います。

確かに、奨学金を月に5万だけ借りて、4年間で12×4×5万=240万ですから、給料を月給約20万と思えば、働き始めたらなんだかすぐに返せそうな気もします。

しかし、現在の日本では新卒で月20万手取りは珍しく、日本の経済状況を考慮すると、新卒数年目の給料が上がることもないでしょう。

高校生のほとんどは、生活費やその他(保険料など)にかかる費用をよく知りません。

仮に給料が手取り20万あったとしても、そこから奨学金返済に回せるお金は、どれだけあるでしょうか?

手取り20万の人にとって、毎月2万でも、返していくのはキツイものです。しかも、その調子で返していったら、10年かかってしまいます(奨学金の月々の返済額、返済方法には種類があるので、よく調べてください。ここでは、例として月2万を上げており、実際のものとは異なります)。

一昔前なら、確かに奨学金くらい、20代のうちに返せたかもしれません。

しかし、現在以降では、30歳、40歳まで持ち込まなければならない可能性もあります。中には、自己破産する人も…

高校生のほとんどは、お金の金銭感覚が分らないものです。だから、「働き始めたら返す」と、安易に言ってしますのかもしれません。

まずは、もし奨学金を借りた場合、卒業後にどれだけの年月で返せるか、シミュレーションしましょう。

大学に行かなくても、就職できるし、転職できる

こういうことを言うと、「就職できるといっても、小さな中小企業のことでしょ」という人がいますが、勘違いです。

まず、海外では、誰もが知っている大企業が、就職応募要件を大卒から高卒にしました。そして、日本でもこの動きが出てきていますし、現に、大きな会社でも高卒で入れるところはあります。

また、ご存知の通り、日本はそこまで学歴社会ではありません。確かに、就職時には大企業のみにおいて、採用プロセスを効率化するために、大学で閾値を設けているところはあります。しかし、それはあくまで「就職時における有利不利」の話であって、働き始めてから評価されるのは、働き始めてからの業績です。

もし、自分が高卒といって大きな会社に入れなくとも(大きな会社が良いとは全く思いませんが)、今は転職社会です。働き始めてから業績が残せれば、希望の会社に転職できるかもしれません。

また、高卒はデメリットばかりではありません。大学に行かないと、大学が良いものに見えてしまったりしますが、実は大卒から見て高卒の良い部分もあります。

大学行かず、ベンチャー企業で働き始めておけばよかった」と悔やむ大学生もいるくらいです。

ぶっちゃけた話、大部分の大学生は大学で学んだことを人生で活かすことはありません。それよりも、いち早く企業に入って働いたほうが、スキルが重視される現代では、将来的に良いという考え方もあります。

大学で得られるメリットは少ない

「大学はいらない、大学生は遊んでいるだけ」という、暴論を言うわけではありません。大学で得られることは、0ではないです。

ただ、4年制大学に通うのであれば、私立で約400万、国立で約200万学費がかかります( 【1000万!?】大学、大学院を卒業するのに必要な費用まとめ(授業料、家賃など) )。

正直なところ、『大卒の肩書がほしい、大学がどんなところか知りたい』などの理由で行くには、この学費は高すぎるのではないでしょうか?

少なくとも、奨学金で借金してまで、卒業後の数年(あるいは数十年)に苦労を引きずってまで、行くところではありません。

「自分が大学に行かないのはもったいない」は意味がない

奨学金を借りてまで、大学に行く人の理由には、おそらくですが、「自分と同じくらいか、それ以下の学力を持つ周りの友達が大学に行くのに、自分が行かないのはもったいないのではないか」というものがあるのかもしれません。

もしくは、「せっかくの学力(模試の成績など)があるのだから、大学に行ったほうがいい」という高校の先生もいるかもしれません。

しかし、それらは全くあてになりません。

その理由は、大学に入って後に成績がいいのは、高校で学力が高かった人とは限らないのが一つ、また、大学の成績には何の意味もないのが一つ、そして、頭がいいのであれば、それこそ大学は必要ないからです。

なにより、学力が高い人が大学に入学することで、その人にとって何かメリットがありますか?

世の中の悪い大人は、 「せっかくの学力(模試の成績など)があるのだから、大学に行ったほうがいい」 とかいうので、気を付けましょう。

どうしても行きたいなら行けばいい

それでも、これだけ言っても、奨学金を頼りに大学へ行く人がいます。

先ほども言ったとおり、大学自体を批判しているわけではありません。

僕自身、大学を卒業し、良かったことはたくさんあります。

ただ、「奨学金による借金、自己破産の可能性を抱えてまで行くところではないよ」と、言っているだけです。

奨学金に頼ってまで、大学に行くのであれば、「大学ではこれをやるぞ!」「死ぬまでに、この学問領域を学びたい!」「大学院まで進学して、研究者になるぞ!」くらいの理由は少なくともほしいですね。

それだけ充実した大学生活を送ることができれば、奨学金を卒業後に返していくリスクを負う価値はあるでしょう。

思考停止して、周りに流され、ただの借金地獄にならないようにだけはしてほしいです。

対応策

批判してばかりだとよくないと思うので、大したものではないですが、対応策を提案。

無利子もしくは給付型の奨学金

奨学金には有利子と無利子のものがありますが、できれば、無利子のものだけを借りましょう。そうすれば、破産するリスクは減ります。

また、条件が難しいかもしれませんが、給付型の奨学金(いわゆる、「貰える」奨学金)を探しましょう。奨学金として一般的なのは日本奨学金機構によるものですが、それ以外の奨学金も存在していますから、探してみると良いかもしれません。

親、親戚に借りる

機関に借りるよりは、親や親戚に無利子で借りたほうが良いと思います。それでも、やはり人からお金を借りるのは、その人の手元のお金が一時的に減るということを理解する必要があります。

大学に行かなくとも、勉強する

ぶっちゃけ、勉強だけするのであれば、大学は全く必要ありません。大学のほとんどの講義に大金を払う価値はありませんし、今の大学生の大多数は、講義を聞いて、帰って、レポートを書いて、テストを受けるだけです。

図書館にこもって勉強したり、インターネットで勉強しまくれば、だいたいの大学生よりは頭がよくなり、知恵もつきます。

では、大学のどこに価値があるのかというと、大規模な実験施設を使いたい人にとっては、良い場所だったりします。普通の人は、大規模な実験施設に行くこともできなかったりしますし、大学内にある実験装置すら、何百万~何億円するもので、これを学費を払うだけで使用できることには金額面でも価値があるでしょう。

社会人になってから、大学入学のチャンスをうかがう

働き始めたからすぐは難しいかもしれませんが、落ち着いたら、社会人枠で入学することもできます。そうすれば大卒の資格は得られますし、大学がどういったところなのかも分かるでしょう。社会人で大学に通っている人は、若い学生に比べたら少数ですが、そこそこいます。

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