某旧帝大修士卒,大手メーカー勤務の会社員です.学部は地方の国立大学(旧帝ではない)で,大学院から旧帝大の院に進学した,いわゆる学歴ロンダ組です.
工学研究科と理学研究科の2つの大学院を受験し,そのうち一つの大学院を修了しました.
僕は過去に大学院に関する記事をいくつか書いてきましたが,この記事はその総集編です.
院試の難易度や勉強法,院進のために必要なこと,僕だからこそ伝えられる外部進学のメリットをまとめました.
個人的な意見も入っていますが,経験と本音で書かれた内容なので,院試の生の情報をざっと知りたい人は,ぜひ読んでください!
院試の時期
院試の時期は基本的には夏季休暇中(8月~9月)です.
2次募集(追加募集)などで11月や12月に院試を行うところもあり,遅いところでは3月まで募集しているところもあります.
出願は院試の2~3か月前で,夏季休暇に院試がある場合は6月~7月です.
院試の難易度
院試の難易度を一概に言うことはできませんが,全体的に見れば院試はそこまで難しくないので,
大学の授業にきちんとついてこれた人なら,どこかの研究室には入れます(大学の授業が分からず,常に友達にレポートを見せてもらっていたひとでは厳しい).
学部入試と違い,院試の難易度は大学名ではなく,研究室グループや研究室で決まる傾向にあります.例えば,東大のA研究室より九大のB研究室に入る方が難しいといった感じのことが起きます.
とはいえ,平均的に見れば,基本的には学部の偏差値が高いところほど難易度も高い気がします.
「院は誰でも入れる」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが,研究室によってはかなり勉強しないと入れなかったりします.
旧帝大の理工学系はそれなりに難しい傾向があります.一方で,穴場の研究科,研究室もあったりします.
傾向としては,理工学部の中でも理論物理や数学,人気工学部は難易度が高く,とくに京大の数理系・理論物理系は旧帝大生でもなかなか入れないという話を聞いたことがあります.
進学先として院進学しか考えていない人は,院試勉強を頑張った方が無難です.
院試の勉強法
院試の1~2か月前から勉強を始めるのが一般的です.ですが,院試によって難易度に差があるので,その院にいる先輩などに話を聞くのが一番良いでしょう.
人によっては,大学1年生の時から院試勉強をしていたという話も聞いたことがあります(そこまでする必要ないと思います).
院試の勉強法として一番無難なのが,過去問を入手して解き,分からなかったところを教科書などで復習するといった形です.
ただし,大学受験ではないので,過去問を何周もする必要はないと思います.それよりも,他の大学の院試の過去問を解いてみるほうがいいと思います.大体の過去問はネットで拾えます.
過去問が解けるようになったら,院試当日まで一般的な参考書や問題集をやり込めばOKです.
たまに何故かみんなで集まって勉強する人がいるのですが,みんなと「しか」勉強しないのはおすすめしません.基本的にはひとりで図書館にこもって勉強することをおすすめします( ´∀` )
みんなと「しか」勉強せずに院試に落ちた人を見た回数が多いので…
※コロナウイルスの影響で入試形態が大きく変わったところがありますが,問題の内容が大幅に変わるわけではないので,勉強に過去問を使うのは有効だと思います.

院試の英語試験
院試の英語はTOEICかTOEFL,大学院独自の筆記試験のどれかですが,ほとんどの大学院ではTOEICもしくはTOEFLのスコア提出です.
たまに,TOEFLしかダメなところもあります.募集要項で確認しましょう.
「TOEICのスコアはどれくらいあれば受かるか?」に対する答えも,受ける院の人気度によって変わるので一概には言えませんが,一般的な国立理系院なら大体600点くらいあれば受かると思います.
なぜなら,試験におけるTOEICの比率はあまり大きくないので( ´∀` )
ただし,出願に間に合うようにTOEICを受けておく必要があります.なので,できれば3年生の終わりくらいに一応受けておいた方が安全です.
※コロナウイルスの影響で入試形態が大幅に変わった場合があるので,募集要項を確認しましょう.
研究室見学
大学院に行くなら,研究室見学はしておいた方が良いです.他大学から進学するならほぼ必須ですし,内部の学生もできるだけ志望の研究室は見ておいた方が良いです.
推薦入試や筆記免除で院試を受ける場合は,研究室見学をしておかないと「誰だこいつ?研究室見学もしないような,知らない人を研究室に入れるの嫌だなぁ…」と思われ,院試に落ちる可能性があるかもしれません.
正直,「研究室見学に来てないから落とした」という話を直接教員から聞いたことはないので,どれほど研究室見学に効力があるのか分かりませんが,自分のためにも研究室見学にはいった方が良いです.
他大学進学を目指す者にとって研究室訪問は必須か??→【答え】入試制度による。
外部進学のメリット
学部とは違う大学の院に進学するひとは珍しくありません.
僕も,地方の大学から旧帝大の院に進学したひとりです.いわゆる,学歴ロンダですね.
外部進学には,いくつかのメリットがあります.
・学部ではできなかった,自分の好きな研究ができる
・周りのレベルがあがり,成長できる
・就職先が良くなる可能性がある(悪くなる可能性もある)
・最終学歴の見栄えが良くなる可能性がある(悪くなる可能性もある)
・実家に変えれば,家賃が安くなる( ´∀` )!
反対に,外部進学のデメリットは,学部で行った研究の続きができなくなったり,友達と離れることです.これが気にならない人は,外部進学は良い進路となるでしょう!
外部の院を受験すること自体には,メリットはあっても,デメリットはありません.
外部進学に興味がある人は,チャレンジすることをおすすめします.先ほども述べたように,合格は努力次第で誰でも十分可能です.
【外部進学】他の大学の大学院に進学して得すること&苦労すること 各4選【実体験】
修士卒の就職
そもそも大学院進学をしようか迷っている人もいますよね.こんなご時世ですから…
修士で卒業して就職する人がほとんどなので,就職先が気になるところでしょう.
修士卒の就職先は,学部生よりも大きな規模の会社に受かる可能性が高くなる傾向があります.これは,たぶん不景気でも変わらないでしょう.
とはいえ,生涯賃金がどちらが多くなるかは別の話ですから,人によっては学部でさっさと就職したほうがいいかもしれませんね.
僕自身は大学院に進学して色々な力が付いたし,今の大手メーカーに就職できて本当に良かったと思っているので,おすすめしたいです.
まとめ
・院試のメインは夏にある
・大学の授業にきちんとついてこれた人なら,努力すればどこかの研究室には受かる
・過去問を入手しよう
・TOEIC,TOEFLのスコア提出が必要なひとは,出願時期に気を付けよう
・募集要項をよく読もう
・興味があれば外部進学を考えよう
院試の準備をこれからしようとしてるひとは,こちらの本を読んでみるといいかもしれません.
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