みなさんこんにちは!
研究室配属制度を設けている大学もしくは学部に所属しているひとは、3年・4年生、大学院に進むなら大学を卒業した後に研究室に配属されると思います。
この記事を見てくださっているということは、おそらく研究室配属に向けて、研究室の選定をしようとしているのではないかと思います。
しかし、実際に行きたい研究室を決めるというのは意外と難しいもの。
やりたい研究がすでに決まっているひとは悩む必要はあまりないと思いますが、ふわっと考えているひとにはなかなか数少ない研究室から1つを選ぶのは迷いますよね。
心配しないでください。そういう人はとても多いです。
今回は、研究室を決めるにあたって、「研究室のどのようなところに注目すべきなのか」をまとめました。
研究室のパラメータ(どこを見るか?)
研究室を決めるには、いくつかのパラメータ(要素)があり、ざっくりと挙げると以下のようになります。
- 研究内容(研究実績などを含む)
- 研究室メンバー(教授陣、学生)の数や人間性
- 研究室の物理的環境(実験機器、部屋の快適さ)
- 研究室を出た後の進路(就職、修士・博士進学)
- 研究室の忙しさ(コアタイムの有無、ミーティングの頻度)
- 他の研究室との共同研究
- 場所
これらを詳しく見ていきます。
研究内容
やりたい研究が決まっている人は、ここに注目すれば良いでしょう。
自分の通っている大学にそれがあればそこに決めればよいのですが、やりたいことがあってそれに近いことをやっている研究室が無い場合は他大学の大学院進学を検討しても良いかもしれません。大学院から他の大学に移るというのは(特に理系の大学院では)よくある話です。詳しくはこちらの記事をご覧ください 。
【実体験】旧帝大でも大学院ならだれでも受かるというのは本当?→【答え】本当です。
また、自分が思い浮かべる研究内容と完全にマッチしているからといって、研究内容だけで決めてしまうと痛い目に遭うケースもあります。
たとえば、研究室の先生と人間関係的にうまくやっていけないところや、就職したいにも関わらず、忙しすぎて就活をまともにやらせてもらえないところなどです。
これらを知るには、研究見学や、口コミで聞くのが良いでしょう。また、就職実績は研究室のホームページに書いているところもあるのでチェックしてみましょう。
もし自分の大学で興味がある研究が見つかった場合でも、研究内容というのは簡単には分からないもので、配属されてみたら思っていたのと違った、なんてことはよくあります。
研究室訪問をして、実際に自分がやりたいことなのかを確かめ、配属後のギャップを減らすとよいと思います。
もし思っているのと違ったら、他大学院への進学を検討しましょう。
研究室訪問に関する記事はこちらです。
【院進希望者必見】研究室見学で聞くべき質問とは??時間を無駄にしないためにもしっかり準備していこう。【質問22選】
【研究室見学マニュアル】研究室見学のマナー、気をつけることなどを自身の経験から徹底分析!!
それと、研究室ホームページに研究実績や過去の論文を載せているところが多いです。過去の研究実績(学会発表や論文)を見ることで、その研究室がどれくらいの熱量をもって研究しているのかが何となく分かります。参考にしてみてください。
研究をがっつりやるつもりでいるのならば、研究活動が活発なところに行くのがよいでしょう。
研究室メンバー
どの先生が良いかなどはチェックしているかもしれません。一方で見落としがちですが、研究室のメンバーがどれくらいの規模なのかなども重要なパラメータです。
基本的にはメンバーが多いほど活発的に研究している可能性が高いです。いわゆる、人気研究室です。しかし、学生数が多いということには裏の面がある可能性があることも知っておきましょう。
研究室のスタッフ(学生以外)
教員
教授、准教授、助教授、講師など。
良くある話が、「授業のときと研究室にいるときでは性格が違う」ということです。授業では恐いけど研究室では穏やか、もしくはその逆のパターンなどがあるので、その研究室の学生に聞くのがよいでしょう。
秘書、技術職員
規模が大きい研究室だといます。研究の補助などをしてくれるので、助かります。
ポスドク(博士研究員)
感覚的には、学生とスタッフの中間くらいの人。
学生
学部をB4(学部4年)、B3(学部3年)など、修士をM1(修士1年)、M2(修士2年)、博士をD1(博士1年)、D2(博士2年)、D3(博士3年)と呼ぶ。
博士課程
学部(B4)→修士の次の進学先が博士課程。博士がたくさんいる研究室には2パターンあり、(1)研究活動が活発で、人気の研究室であり、研究の道に進みたい学生が多い、(2)忙しすぎて就活できなくてやむ得ず進学もしくは上からの圧力がある、の2パターンです。
正直、(2)のパターンを体験したことがないので実際にそういった研究室がどれくらいあるのかは分かりませんが、そういう話を聞いたことはあります(専攻によって大きく変わると思います)。
同級生(B3、B4、M1)
同級生とうまくやっていくことはとても重要です。あまりメンバーによって研究室を決まるのはよくないとは思いますが、多少は気にしておいた方が良いかもしれません。
また、学生同士の仲が良すぎる研究室には注意が必要です。一見良いことのように思いますが、ブラック研究室の先生のような共通の敵(?)がいる結果、学生間の仲が良くなるケースである可能性があるようです。これもやはり、研究室見学で見極めるのが良いでしょう。
研究室の環境
実験装置
理系ならば実験系か理論系(どちらもシミュレーションを含む)がありますが、実験系ならば実験装置が必要です。しかし、いろいろな事情(研究室移転や予算)で実験装置が少なく、満足いく実験ができない場合があります。
そういった場合は他の大学、他の研究室の実験装置を使ったりします。
できることなら、普段どのような環境で実験、研究を行っているのか見せてもらいましょう。
パソコン
シミュレーション系の研究室ならコンピュータは必須ですが、実験系でも解析を行いますので、PCには触れることは多いと思います。自分が使えるPCの状況(数量、OS、自前のPCを使うのかなど)を確認しておくとよいと思います。
予算
学生が気にするところではないかもしれませんが、予算はその研究室の先生に大きく依存します。
学生部屋の環境
これで研究室を決める人はあまりいないとは思いますが、気になる人は研究室に何が置いてあるかチェックしておくと良いかもしれません。
研究室後の進路
基本的には、進学もしくは就職の2パターンがあると思います(最近では、企業やフリーランスも増えていますが)。
自分が進みたい道を歩んでいる卒業生が多い研究室がよいでしょう。
博士課程に進むつもりなら、博士課程の情報(学振など)をたくさん得ることができる、博士課程が多い研究室が良いです。そういった研究室では、先生側も進学に理解がある傾向にあります。その博士課程の学生がその後どのような人生を歩んでいるのかもチェックしておきましょう。
反対に、学部卒や修士修了で就職するつもりなら、その研究室の卒業生がどのような所に就職しているのか調べましょう。あまり研究室のことが就活に関係するとは思いませんが、情報が得やすいというのと、就職した学生が多いということは先生も就職に理解がある可能性が高いので、それなりに就活に時間を割くことができるでしょう。
研究室の忙しさ
もしも、学部で卒業するつもりで、あまり研究活動に時間をかけたくない人は忙しい研究室を避けるのもありでしょう。
研究室の忙しさは、その研究室の学生、またはその隣の研究室の学生に聞くのが一番良いでしょう(隣の研究室の人なら、どれくらい学生が研究室に残っているのか分かるかもしれないので)。
基本的にはミーティングやゼミ、輪読がどれくらいあるのか、コアタイムの有無などを聞けば良いと思いますが、データ解析、研究室の事務作業、イベント(旅行、飲み会など)の手配などで時間に追われるかもしれませんので、「学生がいつも何時に来て何時に帰宅しているか」を聞くとよいかもしれませんね。
また、就職したいひとは就活が十分にできるかを確認しておかなければ、後々後悔するかもしれません。
他の研究室との共同研究
その研究柄や先生同士のつながりなどで、他の研究室と共同研究を行うところはたくさんあります。
とくに他大学と共同研究をする場合、出張で他の県や海外に行く可能性があります。
遠出したい人にとっては良いですが、あまり動きたくない人にとってはマイナスポイントかもしれませんね。
場所
他大学に進学する場合は、地元に帰ると金銭面で有利、地元からでると不利になるなど、状況が大きく変わります。
もし住んでみたい場所があるひとは、これを機会に引っ越してみるのもありかもしれませんね。
まとめ
研究室を決めるときは、当たり前ですが一番重要なのは研究内容です。
いきなり、それ以外で決めようとする人は少ないと思います。
しかし、研究内容だけで決めると自分にとって良くないことが起きる場合があるので、今回述べたことも配慮し、問題なかったらそこに行くのが良いでしょう。
今回、いろいろと研究室について述べましたが、実際には研究室によって色は様々です。
研究室見学などの慎重なリサーチも大事ですが、やはり入ってみないと分からないことの方が多いと思いますので、直感も大事です。
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