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大学の授業料無償化『院生は対象外』について。文科省さん、厳しいねぇ…

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2020年より、文科省主導で高等教育無償化(修学支援制度)が開始されるようです。

この制度によって、世帯収入が要件に合えば、大学、短期大学、高等専門学校、専門学校に進学する際に、授業料の減免と給付型奨学金が受けられるようになるようです。

この件に関して、ある視点から、少し話題になっています。

大学院は対象外

さて、皆さんお気づきでしょうか?

『高等教育無償化』と謳っているにもかかわらず、対象に大学院が含まれていないことを

とはいえ、もしかしたら、大学の中に含まれているのかもしれません。

ということで、誰かが文科省に「大学院は対象になるか?」と質問したところ、次のような回答が返ってきました。

大学院生は対象になりません。


大学院への進学は 18歳人口の 5.5%に留まっており、短期大学や2年制の専門学校を卒業した者では20歳以上で就労し、一定の稼得能力がある者がいることを踏まえれば、こうした者とのバランスを考える必要があること等の理由から、このような取扱いをしているものです。

文部科学省:高等教育の修学支援新制度に係る質問と回答(Q&A) ーより引用

つまり、大学院生はこの新制度に対する対象にはならず、その理由としては「大学院生は数が少ないし、他の人はその年齢ならそれなりに稼いでるから、無償化する必要もない」って感じですね。

言い換えれば、「いい歳して学生やっている院生に払う金はないよ」とも聞こえます。

これには、賛否両論あります。

学問の力を感じ、必要と考えている人にとっては、大学院生にはもっと良い待遇を用意して欲しいと考える人もいるでしょうし、また、現大学院生や、大学院を修了した人のなかには、授業料免除どころか、給料を支払っても良いのではないかという人もいるくらいです。

一方で、大学院とは無縁な人にとっては、確かに「いい歳して学生をやっているなんて。はやく社会に貢献してほしい」と考える人もいるかもしれません(もし、本当にそう思っているのなら、もう少し社会の勉強をしたほうが良いと思いますが)。

Twitterでは、大学院が無償化対象外であり、文科省が先ほどのようなコメントをしたことについて、以下のような反応があります(批判的なコメントが多かったです。この件に反応するのは、大学に関りがあるひとが多いからでしょう)。

授業料免除が廃止されたわけではない

注意したいのが、大学院のすべての授業料免除制度がなくなるというわけではありません。

つまり、各大学が用意している授業料免除制度や、日本奨学金機構が実施している奨学金制度がなくなるわけではありません。

世の中には、色々な制度があるものです。

大学院では奨学金返済免除が受けやすかったり、しますので、そもそも全体的には学部生よりは、お金の面で優遇されている気もします。

なので、今回のこの件だけを見て、「大学院生は冷遇されている」と決めつけるのはよろしくないでしょう。

国は大学院をどう見ているか?

この件は、大学院生が新授業料免除制度の対象外であること自体が議論されるべきではなく、「国が大学院、あるいは大学院生をどう見ているか」が議論されるべきだと思います。

先ほどの文科省の返答の意味が、僕の取り間違いではなく、本当に 「いい歳して学生やっている院生に払う金はないよ」 というニュアンスならば、少し残念ではあります。

なぜなら、日本経済の衰退の要因の一つは、確実に科学の衰退だからです

ここ数年で日本発の論文はアメリカや中国に圧倒的に負け、先進国で唯一、博士課程の学生が増加していません。

昔、科学先進国だった日本の姿は、かなり薄くなってきています。

科学発展についての議論はここでは収まりきらないので、これくらいにしておきますが、

しかし、国が本当に科学を軽んじ、大学院を軽んじているかというと、疑問が残ります。

平成を通して大学院重視を掲げて大学院生の数を増やそうと、院生の定員を増やしましたし、大学が研究機関の一つとして大きな役割を担っていることは重々承知だと思います。

今回の件も、単純に、大学院生をもっと優遇したいのは山々だが、十分な資金がないというだけな気もします。

(大学生や専門学生より先に大学院生だろ、という意見もありますが…)

ですが、日本にとって明らかに大事な科学への投資を渋っている姿を見ると、日本の未来は明るくないな、と思わざるを得ません。

国全体として、大学院生を見る目と、科学を見る目をもう一度考え直し、学生や科学者もそれに答えられるように、最善を尽くすような環境になればと思います。

-大学, 大学院

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