学歴ロンダリングという言葉を聞いたことがありますか??
学歴ロンダリング、略して学歴ロンダとは、一般的には偏差値の低い学校(大学)から高い学校(大学)へと行くことで、学歴を上げることをいいます。
学歴ロンダリングは、小中高、もしくは高校から大学の段階ではあまり議論にならないのですが、大学から大学院で学歴ロンダリングするというのはしばしば話に上がります。
なぜなら、大学院というのは大学よりも入りやすく、比較的簡単に最終学歴を大幅に上げることが可能であると考えられているからです。
実際に、大学から大学院に進む段階で大学を変えるというケースはよくある話で、
多いところだと、3割くらいが他大学からの学生という大学院もあります。
実際,僕自身も他大学の大学院に入学した一人です.
また,「学部入試のときには受からなかった大学にも、院では合格できた!」という話はよく聞きます。
しかし、基本的には大学院に進む人はその大学からそのまま進む人(内部進学)の方が圧倒的に多く、「実際に簡単か?」という確かなデータはありません。
大学院に進むのは理系が多く、理系は早慶といった有名私大よりも旧帝大のような国立への進学が好まれるので、特に旧帝大の大学院に入学するのはどれくらいの難易度なのかを気にする人は多いのではないでしょうか?
(旧帝大についてはこちらの記事を参照)
そこで今回は、そんな大学→大学院でのロンダリングは本当に簡単なのか??について、自身の体験談をもとにお答えしようと思います。
本記事は、内部進学というよりも,他大学進学寄りの内容になっています。他大学進学を目指している人は、ぜひ参考にしてください。
※この記事では、 一般的にレベルの高い大学院に進学する場合、 学歴を上げたい人、研究の関係で他の大学院に進学する人をすべて含めて『学歴ロンダリング』と称しています。
どこの大学院でも、だれでも入れる?
結論
まず、いきなり結論から述べたいと思います。
自分が思う、結論は以下の通りです。
研究室にこだわらず、かつ偏差値45以上くらいの大学に通っていれば高い確率でどこの大学院にも受かる
これについて掘り下げていきます。
どこの大学院か
まず、’’どこの大学院にも’’というのは、『日本のすべての』大学院のことです。
つまり、東大、京大をはじめとした旧帝大や早慶などを含めた大学院です。海外の大学院は、根本的に入学条件が異なるのでここでは除きます。
研究室にこだわらなければ
そして、これらの大学院のどの研究科、どの研究室にも入れるかというと、それは難しいです。
研究科、研究室によって大きく人気度、定員数が異なりますので、だれしもが人気の研究室に入学することはできません。
大学院入試には以下の2つのパターンがあります.
・『研究科・専攻』単位で学生を募集し、合格後に研究室を決めるパターン
・『研究室もしくは研究グループ』単位で学生を募集するパターン
『研究科・専攻』とは、工学研究科機械工学専攻、理学研究科物理学専攻などの大きな単位です。一方で、『研究室もしくは研究グループ』とは研究科・専攻単位よりも小さな規模のグループのことです。
そして、大学院入試では多くが後者のパターンです。つまり大学院受験は研究室によるところが大きいということになります。
人気の研究室となれば、研究室見学など、入試前の段階である程度決まっていることもあるそうなので、入試のペーパーテストだけでは難しい部分もあります。
一方で、旧帝大でも人気が無く、定員が割れてしているところすらあります。
例えば旧帝大の工学研究科は比較的人気ですが、旧帝大の理学研究科で定員割れしているところはありました。
定員割れしていなくとも、倍率としては大学入試と比べたらかなり低い状態にあり、よほどできない人でなければ受かります。
だれでも受かる??

タイトルではだれでも受かると言いましたが、もちろん赤ちゃんでは院試を解くことができないので多分受からないです。
中卒の人など、そもそも入試条件を満たしていないひとも特別な理由がない限り受からないです。
ではどれくらいの人が旧帝大のほとんどの大学院に受かるのかというと、おそらく偏差値45くらいの大学に通っているひとなら大丈夫だと思います。
つまり、地方国立大学(理系)の中の下、私立の中くらい。
ちなみに、僕もそのくらいの大学から旧帝大に受かりました。
ただし、最低限の努力は必要という条件付きです。とはいえ、大学入試のように半年∼1年くらいかけて勉要する必要はありません。分野を変えないのであれば、1~2ヶ月の勉強で十分です。
もしくは、地方国立の中の下くらいの大学にいなくとも、時間をもう少しかければ十分合格圏内だと思います。かなり偏差値の低い私立から旧帝大に進学した人も結構います(大学院のホームページの入試合格者情報を参照)。
また、大学院試では英語よりも専門科目が重視される傾向にあるので、TOEICやTOEFLのスコアが低い人でも諦める必要はありません。
TOEIC500点でも、東大院に行った人もいます。
なぜ受かりやすいのか?いくつかの理由
ではなぜ大学院は受かりやすいのか?その理由をまとめてみたいと思います。
・志望者に対して定員が多い(倍率が低い)
・競争相手があまり勉強しない
・「外部枠」を設けている大学院がある
・そもそも,院試が簡単
上ですでに述べたものもありますので、理由があまり気にならない人は読み飛ばしていただいても構いません。
定員が多い
大学院の定員は、おおよそ大学の学部の定員と同じくらいです。旧帝大の院のなかには、学部の定員よりも多いところがあります。
大学院に進学する人は大学生の一部のひとなので、大学入試に比べて大学院試は倍率が大幅に下がります。
競争相手があまり勉強しない
比較的簡単に入れるという風潮から、内部進学の人はあまり勉強しません。もしくは、結構旧帝大クラスでも学部時代にあまり勉強していない人がいます。
これによって、さらに外部のひとは受かりやすくなります。
ただし、旧帝大レベルの研究室では「院試勉強期間」を設けているところがあるので、それなり勉強している人も多いです。
外部枠を設けている大学院がある
大きい大学になると外部からの受け入れに積極的で、「外部枠」というものを設定しているところがあるそうです。
これによって、競争相手は外部学生だけになるので、さらに倍率が下がる場合があります。
そもそも、院試が簡単
院試は大学入試と違って落とす試験ではないので、学部時代にしっかり勉強した人であれば、確認レベルです。
詳しくは,院試は簡単って本当??大学入試と院試の違いを解説をご覧ください。
実体験から語る
説得力を持たせるために、僕自身の実体験を語ります。
僕は(中の下くらいの)地方国立から、いくつかの旧帝大に合格しました(1つ落ちたやつもあります)。
僕の学部時代の専門は物理で、理学研究科(物理)も合格しましたが、工学研究科(機械)も合格しました(どちらも旧帝大です)。
工学研究科に関しては研究科単位で学生を取る方式で、内部の学生でもそこそこ落ちるところでしたが、1~2ヶ月程度の勉強で合格できました。
僕は特別勉強ができるわけでもありません。地頭も良くなく,卒業した高校は偏差値45くらいの普通科です.
なので、ある程度努力した人であれば日本の大学院であればほとんど受かるといってよいでしょう(人気研究室は除く)。
東大でも、人気がなく、外部生だらけの研究室があるそうです。このように、東大院に入りたいだけなら誰でも入れるようです。
※もちろん、大学入試がそうだったように、大学院試も100%合格ということはありえません。旧帝大の内部の学生でも落ちる人はいます。ただ、大学院試は、研究室にこだわらず努力した人ならだれでも受かるくらいの入試になっているということです(人気でないところなら)。
ただし、外部から進学したひとには優秀な人が多い
これまで、大学院進学は比較的しやすいということで話を進めてきましたが、とはいえ、外部から旧帝大などに来た学生には、比較的優秀な人が多いです。
なぜなら、それなりに研究に対して志をもってきた学生が多いからであり、それなりに能力が高い、もしくはやる気がないと大学院に進学してからやっていけないからです。
いままで多くの外部生を旧帝大で見てきましたが、内部の学生に劣らず、何かに秀でているひとが多い印象です。
入試のことだけでなく、入ってからのことも想像しておきましょう。
最後に
大学に比べて少ない勉強量でも大学院に入りやすいのは、大学院が勉強するところではなく研究活動の訓練をすることろだからです。
あまり大学院に進むひとがいない中、国としても大学院進学を推奨している部分があるので、比較的入りやすいというのもあります。
高い志を持ってより良い大学院に行くのはとても良いとは思いますが、学歴ロンダ、もしくはただの憧れ、地元にある大学だからという理由で安易に大学院を選ぶのはおすすめしません。
特別な理由がない他大学院進学は自分の首を絞めることもあります。
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