大学から大学院に進学するときに,学部の頃とは違う大学の院に進学する,いわゆる外部進学をする人もいると思います.
そして,同じ院だろうが,外部の院だろうが,学部で所属した研究室とは違う専門分野の大学院に進学するひとも少数ですがいると思います.つまり,院進を機に転科するということです.
僕も学部とは違った専門分野かつ外部の大学院に進学した一人です.
そのような進路を選択する場合,進学する前は多くのひとが
「学部で学んだこととは違う分野の研究室でも,ついていけるかな…?」
「ついていけなくて,途中でやめるなんてことにならないかな…」
と心配になるかもしれません.
実際に,僕も少し心配でした.
なので,この記事では転科,転院して,結局どうだったかを書きたいと思います.
転科,転院でも(実力面では)あまり心配はいらない.
なぜなら,
・結局,研究をやりながら専門分野を学んでいくから
・院試を通ったことが,少なくとも努力すればやっていけるという証拠になるから
ただし,
・留学生との英語での会話
・進学後にも使いそうな基本的な勉強
・研究室訪問などの情報収集
などはしておいた方が良い.
もし中退などするとしたら,人間関係等の,実力とは関係ないことが要因
心配しすぎている人は,この記事を読んで気持ちを楽にしてください.
院転,転科しても大丈夫か?に対する結論
いきなりですが,
専門分野を変えたとしても,(もちろん,外部に進学したとしても)あまり心配はいらないと思います.
もちろん,進学後に努力は必要になるかもしれませんが,
全くついていけず,退学するなんてことはおそらくないと思います.
ただし,ここでは,あくまで『実力面』での話をしています.
つまり,もし中退するなどのことがあれば,それは研究室での人間関係や,経済的な要因が理由のはずです.
では,以降で「なぜ,そんなことが言えるのか」を説明していきます.
理由

体験談から
冒頭でも述べたように,僕は他大学院への進学および専門分野の変更を経験しました.
具体的には,よくあるバターンの地方国立→旧帝大院という進学方法です.外部進学としてはこのパターンが一番多いのではないでしょうか.
そして,学部は物理学科でしたが,大学院進学を機に機械工学専攻に変更しました.
そろそろ,2年間の研究生活を終えようとしています.
結果から言うと,専門分野を変えたことによる障壁はあまりなかったです.
物理学科はちゃんと数学をやる学科なので,もしかしたらその恩恵があったのかもしれません.正直,学問的には周りの内部生と同じくらいしか苦労しませんでした.
ゼミも授業も全然苦労せずに終わってしまいました.
(ただ,制御工学の授業とかは少し苦労しましたが…)
専門分野の類似度によって,進学後の苦労は異なるとは思います.物理→機械は,かなり楽勝な部類に入るとは思います.
ただ,やはり他の研究室などを見ても,他専攻から来た学生が,そのギャップのせいで苦労しまくるということはないような気がします.
世の中には,文系学部から機械専攻や物理学専攻に行く人もいます.やる気があれば,大丈夫だということですね.
入学してから成長する
学部で既に研究室配属されているひとならわかると思いますが,
先輩の研究内容は,最初は全くわけの分からない,超難解なものに見えますが,研究生活が進むにつれて,意外と簡単なことをやろうとしてるということが分かってくることがあると思います.
また,自分の卒論に対しても,全くよく分からない,できるのか不安なテーマを与えられたけれども,卒業時にはおおよそ理解しているはずです.
その経験から分かるように,学位研究は『学びながら研究を進めていくもの』です.
つまり,現在の能力の範囲でやるものではないということです.
これは周りの内部生も同じなので,他専攻から来たひとでも,学位研究に取り組めるはずということになるでしょう.
院試はある意味,実力を一部認めるものだから
幸いにも「院試」というものがあります.
大学院に入ったということは,院試を受かっているはずです.
院試では,学部の勉強をきちんとクリアしているか否かの判断をするため,(院試を通ったひと)=(学部の内容を理解しているひと)になり,これは内部生と条件が同じになります.
院試も完全ではないので,多少差はあるかもしれませんが,おおよそ,院試を通ったなら大学院もクリアできる素質を持っていると考えてよいでしょう.
なにより,頑張っても修了できない人を入学させるのはおかしな話なので…
僕も,大学院試は習ったことがない科目は独学で勉強したわけですが,院試勉強しているときには,
「院進学後は,大丈夫だろうか…たまたま院試を受かったとしても,これを分かっている前提に進むわけだよなぁ…」
と思っていました.ただ,その点に関しては他の受験生と同じ条件ですし,進学後に気づいたのは,内部の学生も院試を通るくらいのレベルでしかないひとが多いということです.
その点を踏まえれば,大学院の授業も付いていけるはずです.おそらく,授業内容が分からないときは,周りの内部生もあまり分かっていないことが多い気がします(例外は後述).
ただし!

「院試を通っているのだから進学後に頑張れば,ついていけるはず」ということを話しましたが,その程度は個人の状況によってまちまちです.
実は,僕は機械専攻の前に,少しだけ物理学専攻の院に所属していた時がありました.
機械専攻の授業は,院なので学部ほどは厳しくなかったですが,物理では大学院の授業もなかなか厳しくて,当時は結構ついていくのに苦労しました.
学部で物理を学んだ僕にとっても(と言っても,勉強が甘かったかもしれません),結構難しく感じたので,他専攻から物理学科に来た人には,かなり骨が折れるかもしれません.
これは,院試を通った人でもです.院試は比較的簡単なので,通った人でも授業に苦労する人はいるだろうな…という印象でした.
つまり,物理のような「積み重ね」がないとやっていけない分野に関しては,やはり学部の内容をしっかりと勉強しておく必要があるともいます.
とはいえ進学後は,努力で何とかなるでしょうし,最悪授業についていけなくても単位がとれるかもしれないので,全然諦める必要はないと思いますが.
院転するならやっておくと良いこと
留学生との英語での会話
留学生がいる研究室では,ゼミやミーティングを英語でやっている場合があります.
英語で会話できないと,かなりストレスになり,鬱になってしまうことがあるので,事前にある程度練習しておくと良いと思います(僕は英語で話すのが苦手なので,一時的に軽い鬱になりました).
学部で所属している研究室に留学生がいるならその人と会話するとよいですね.
また,大学院ではゼミ以外(授業など)にも度々英語で話さなければならないシチュエーションがあるので,英語が苦手な人は意識する必要があります.
進学後にも使いそうな基本的な勉強
進学前でも,一人で勉強しておけることはあると思います.
その専門分野の基本知識もそうですし,例えば,最近では色々な分野で機械学習が使われ始めているので,勉強しておいて損はないでしょう.
もし勉強会などがある研究室に行くなら,その内容を事前に予習すると,進学後が楽になると思います.
研究室訪問など情報収集
上で述べたことをするためにも,研究室見学に行ったり,教員にメールを送るなどして,進学後のイメージを固めておくと最高です.
英語でゼミを行っていることが分かれば,英会話を勉強したり,あまりにもそれが嫌ならば志望する研究室を変えればいいですし,
勉強会の内容や,卒修論の内容が分かれば予習できます.
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