多くの人は、高校生の段階で文系か理系かを選択するかと思います。
そして、結構多くの学生がその進路選択に迷うと思います。
実は、このように高校の段階で理系・文系と分けるのは海外では一般的ではないようです。
しかしながら、日本ではこの文化がまだまだ根づいています。この日本文化のせいで、高校生は選択に悩まされているわけですね。
そこで今回は、そんな人の参考になるように理系と文系の違いを特徴・メリット・デメリットを踏まえて分析したいと思います!
また、理系と文系で将来的な職業としてどのような違いがあるのかも紹介します。
ただし、大卒くらいの学歴では仕事に文系と理系の差はほとんどないように思われます。例えば、一般的にエンジニアと言えば理系職ですが、営業をするエンジニア、マーケティングをするエンジニアなど文理を越えての仕事はたくさんあります。それを分かったうえで、理系と文系の職を分けて挙げたいと思います。

ちなみに、ぼく自身は理系ですが、できるだけ偏った意見にならないようにします。
※今回は体育会系・看護系・芸術系はどちらにも含んでいません。(もし分けるとしたら体育会系、看護系、芸術系は文系に分類されるのでしょうか…)
文系
文系の特徴
学問の対象
高校の時点では、学ぶ教科として理系に比べて数学の範囲が狭い、社会の教科が多いくらいですが、大学ではより専門的に学んでいくことになり、大きく違ってきます。
文系が学ぶ学問としては、大きく分けて次のようになります。
- 文学
- 歴史学
- 心理学
- 言語学
- 経済学
- 経営学
- 哲学
- 考古学
- 法学
- 政治学
- 商学
- 社会学
- 国際学
見て分かるように、これらの学問が研究の対象とするのは、「人」が関わるものが多いです。このことから、文系ではなく「人系」と呼んだ方が意味としてはしっくりときます。
よく言わるのが、「文系はヒトを動かし、理系はモノを動かす」ということです(これに関しては異議を申したいので、最後に述べようと思います)。
人物像
文系といっても様々な人がおり、そもそも僕は「文系はこういう人」のようなくくりで人を語るのは大反対派なのですが、
あえて言うなら、一般的に文系は理系と比べて人とお話をするのが好きで、営業力が高いとされています。
また、文系は物事を考えるときに人の感情や行動を先行して考える傾向にあるとされています。
有名な例え話でいえば、

300円を持っている人が、170円の買い物をしました。お釣りはいくらでしょう?
という問いに対して、文系はその人の行動を考え、「170円のものを買うのに200円出すはずだから、お釣りは30円だ」と答えるような感じです。
文系のメリット
<高校>
・一般的に理系に男子が多い分、女子の割合が多くなる(男子目線)。女子的にも良いと思う。
<大学>
・一般的には自由な時間が多い
・専攻性があまり重視されないため、就職が幅広く選択できる
・私立大学の場合、私立理系に比べて学費が安い
・数学・理科を深くやる必要がない(経済学部では多少必要)
・女子が多い学部が多い(男子目線)
文系のデメリット
<高校>
大学進学時に理系に行こうとする(理転)のは文転よりも難しい
<大学>
・就職が理系よりも対策が必要
・理系就職がしにくい
文系の職業
世の中には数えきれないほどの職業があるので、すべてを羅列するのは難しいです。なのでここでは大ざっぱに、多数のひとが就いているいるものを挙げることにします。
- 営業職
- コンサルティング(文系)
- 教育業
- メディア系
- 保育、介護、カウンセリング
- 弁護士や公認会計士、弁理士、不動産鑑定士などの専門職
など。
正直、文系は職業の壁が無さ過ぎて分類するのが難しいです。
見ての通り、人と深くかかわる仕事が多いです。また、弁護士などの職種は特に知識の大量インプットが必要になります。
理系
理系の特徴
学問の対象
理系が学ぶ学問としては、大きく分けて次のようになります。
- 理学(物理、化学、生物、数学、地学など)
- 工学(機械、電気、情報、材料、土木、建築など)
- 農学( 農科学、園芸学、畜産学、農業経済学、地域開発学、資源生物科学、応用生命科学など)
- 薬学(生命科学、製薬学、医療薬学、衛生薬学、創薬科学など)
- 医学(基礎医学、臨床医学、社会医学)
- 歯学(口腔生理学、口腔解剖学など)
見て分かるように、これらの学問が研究の対象とするのは、「物」、もしくは自然科学が多いです。
人物像
あえて言うなら、理系は文系に比べて数字に強いとされています(ぼくはそう思いませんが)。
理系は文系とは違い、物事を考えるときに数値や現象論として考える傾向にあります。
先ほどの例でいえば、
「300円を持っている人が、170円の買い物をしました。お釣りはいくらでしょう?」
という問いに対して、理系は「300円から170円を引いて、130円だ」というように、人の行動よりも先に数値をみる傾向にあります。
理系のメリット
<高校>
・一般に男子比率が多いので、団結してものごとに取り組みやすい。
・文転はしやすい
<大学>
・専門的なことを学べる
・専門的なことを学ぶので、就活がしやすい
・文系就職も(文系が理系就職するよりは)難しくない
理系のデメリット
<高校>
・女子が少ない(もしかしたら女子にとってはメリット?)
<大学>
・女子が少ない(男子目線)
・私立大学の場合、文系よりも学費が高い
理系の職業
※めっちゃ大ざっぱです。
- エンジニア
- 医者
- 教員
- 研究職
- 飼育員
など
高校生の段階で一番勘違いしやすいことは、「理系は人と話すことが少ない」「研究職は引きこもって仕事をするので人とコミュニケーションを取ることが少ない」です。
理系職でも人とコミュニケーションを取ることはバリバリありますし、
研究職であっても研究した内容を伝えなければならないので、コミュニケーション能力は必要です。
文系、理系の決め方
これまでで大ざっぱに理系と文系の違いを書きましたが、文理選択に迷っている人のなかには、結局どのようにして選択をしたらよいかわからない人もいると思うので、ここでは「文理選択の決め方」の例を挙げたいと思います。
自分が好きなものを考える
まず、なんでもよいので自分の好きなものを挙げ、それに近い方を文系・理系から選ぶ考え方。
たとえば、自分の好きなことがゲームなら、ゲームを作りたいのか、それともやりたいのかで、作りたいなら理系、やりたいなら文系の方が近いかもしれませんね。

とりあえず好きなことに近いほうを選んでおきましょう。好きなことが仕事になれば最高ですね!
就職で考える
自分の将来イメージがある程度できているひとは、文理を選ぶのは容易いかもしれません。
また、お金も人生において大切なもののひとつです。
おそらく、一般的なイメージとしては理系の方が安定的に高い給料で、文系の方がすごく高い人と低い人の二極化している感じかと思います。
そういうところも含めて、調べてみるとよいかと思います。

就きたい仕事があるひとは、学校の先生に伝えて、文系か理系どっちが良いか相談しましょう
得意教科で考える
自分の得意な科目が重視されるほうへ行くのはどうでしょうか。
一番多くの人がこの決め方をしている気がします。
特に、数学や理科のほうが得意ならば理系にいき、そうでなければ文系に行くケースが多いと思いますが、数学が苦手と思っていても数学が好きなら理系に行くのもアリです。自分が苦手だと思っているだけで、意外と、みんなよりもできるかもしれませんよ。

好きなことも、やりたい仕事も思いつかない人は、とりあえず得意そうな方へ行きましょう。
周りのひと(環境)で考える
どうしても進路選択に迷い、なかなか決断を出せないときは、「人」で決めましょう。
理系の人と長く一緒にいたいのか、それとも文系の人と深くかかわりたいのか。
周りの環境は、自分の人生に大きく作用するものです。

あくまで、学校の中の話です。理系と文系で人間性に大きな違いはないと思っています。
文理に対するよくある質問
ここでは理系、文系に対してよくイメージされることについて僕の意見で回答します。
Q. 理系は忙しくて文系は楽なのは本当?
高校の授業に関しては、ほとんど変わらないと思います。ただし、受験に関して言えば、理系は有名私立よりも国立を目指す傾向にあり、私立大学の入学2次試験では三教科でよいところが多いのに対して、国公立では4、5教科受けなければならないところも多いので、勉強量が理系の方が多くなる可能性があります。
大学の授業に関して言えば、一般的には文系よりも理系の方が大変だと思います。ただし、【衝撃】文系が知らない理系大学生の真実5選でも述べたように、理系の方がめちゃくちゃコマ数(授業数)が多いわけではなく、授業以外での勉強が大変になる傾向にあります。また、教員免許を取得しようとする人や、副専攻を取ろうとする人は他の人よりも多く単位を取る必要があります。
総じていえば、理系の方が大変である場合が多いのは間違いないです。
ただし、文系でもめちゃくちゃ忙しい人もいます。

結局、その人次第ということですね
Q. 理系にはおとなしいひとが多く、文系には社交的なひとが多いの?
おそらく、一般的にこのようなイメージがついているのではないでしょうか。
たしかに、かなり上位の大学であればあながち間違えではないと思います。
ですが【衝撃】文系が知らない理系大学生の真実5選にもあるように、意外と理系にもいわゆる『チャラい人』はいます。
そりゃそうですよね。
レベル的に丁度真ん中くらいの大学であれば、理系と文系の社交性は半々くらいな気がします。

みんな人間であることに変わりはないので、あまり気にしなくて大丈夫だと思います
Q. 理系の方が年収が高いのは本当?
平均でみれば、これは本当です。
独立行政法人経済産業研究所が2011年に発表した結果によると、文系大卒の平均年収は381万(男性559万、女性203万)であり、理系大卒の平均年収は431万(男性601万、女性260万)です。
しかし、生涯年収にすると文系の方が高くなるという結果も出ています。

大きな差はないので、好きな仕事を選ぼう!
Q. なぜ同じ大学内でも文系の方が偏差値が高いところが多いの?
これは簡単にいうと、偏差値はその集団の平均を偏差値50と決めるので、医学部などのレベルの高い学部が含まれ、平均点が高い理系の集団の中での偏差値50の人は、文系の平均の偏差値50の人よりも、実は学力が高いことになります。反対に言えば、同じくらいの学力の人でも文系の方が偏差値は高くなります。(参考https://juken-benkyou.info/Hensachi/rikeibunkei.html)
まとめ
文系と理系の学問の違いと、その特徴、メリット・デメリットについてまとめました。
また、よくある質問のいくつかに答えました。
最後に
色々と偏見も交えて文系と理系の違いを述べましたが、理系と文系に分けること自体、正直なところ微妙ですね。
理系に進学し、理系と呼ばれると理系科目にばかり目が行ってしまいがちです。これでは視野が狭くなり、仕事の選択にも支障をきたすかもしれません。
一番初めにも言いまいたが、これは日本特有の文化です(アジアはどうなのか分かりません。少なくとも、アメリカなどではこの文化は無い様)。
にもかかわらず、日本では大卒であれば理系文系問わず、いろいろな分野の仕事を任されることが多いと聞きます。
高校の段階ではっきりと文理を分ける意味はあまりないかも知れません。
ですが、こういうシステムがあるのは仕方がないので、とりあえずどちらかを選択して、視野を広くして学んでいきましょう。
それと、僕的には「文系はヒトを動かし、理系はモノを動かす」には異議ありですね。
ヒトはモノを作り、動かしつつ、ヒトの心を動かしますからね。
そして結局、ヒトの心を動かさなければモノも作れません。
なのでこのように相互の関係にあるので、ひとくちに文系はヒト、理系はモノと分けるのはしっくりきませんね。
最後に、
文系であっても理系職、理系であっても文系職に就くのは珍しいことではありません。
あまり、文系だから…、理系だから…という思考は持たない方がいいかもしれません。
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